オーガニックコットンへの想い

江戸時代には、日本の各地で綿の栽培がおこなわれていました。多くの家庭で自家製の綿を栽培し、種を取り糸車を使って糸にして、手織り機で織りあげて自給自足の生活をしていたと記録されています。ところが明治以降、紡績機械が日本に入ってきて、インドや中国から綿を輸入して糸にする紡績業が発展して洋服が一気に広まっていったことから、機械化には使われない和綿は衰退していったと言われています。

現在、我々の綿衣料の99.9%が輸入綿に頼っています。綿の自給率は0%です。ところが、想定もしなかった感染症が世界中を襲い、悲惨な戦争が起こり、自然災害が各地で発生している現状において、綿の輸入はその情勢に大きく影響を受け、その結果、衣料品に関するさまざまな費用も高騰しつづけています。

我々は、「日本製」にこだわるサムライジーンズ100%出資の農業法人として、自らの手で綿を栽培し綿の自給自足を目指していきたいと思っています。そして、明治以降の紡績業界の発展によって失われた「和綿」を復活し、「和綿」の良さを知り、伝え、後世に残していくべきだと考えています。和綿の大量生産は非常に難題ではありますが、農薬や化学肥料を使わず有機栽培で、近隣の皆様、障害のある方たち、生きづらさを抱えた方々など多くの方たちの協力を得ながら、試行錯誤をしつつ、近隣圃場が和綿でいっぱいになるときを夢見て栽培を続けていく決意です。